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お役立ちコラム

【会社設立】方法や手続きの流れを解説

会社設立

昨今、個人の働き方が多様化する中、起業するという選択をする人も増えています。

一言に起業するといってもその形態は会社を設立したり、個人事業主となったりと様々です。特に会社を設立するとなると具体的に何から初めてどんな流れなのかイメージはつきにくいのではないでしょうか。

今回は、

会社設立ってなにからやればいいの?

という方に向けて会社と個人事業主の特徴と合わせて詳しくご紹介していきます。

関連記事:会社設立のメリットは?個人事業主と法人どちらが良いの?

株式会社・個人事業主を比較

そもそも起業といっても会社を設立する場合と個人事業主になる場合が考えられます。

”会社”と聞いて一番馴染みがあるであろう「株式会社を設立する場合」と「個人事業主として開業する場合」の特徴はそれぞれ具体的にどんなものでしょうか。

以下の4つの観点で比較してみましょう!

  • 事業開始までの手続きと費用
  • 税金でお得なのは?
  • 経費の範囲
  • 社会的信用

項目ごとに詳しくみていきます。

リスト

事業開始までの手続きと費用

個人事業主:税務署に開業届を提出するだけ。

法定費用なども発生しないため、必要な費用としては事業にかかるもののみです。

法人:会社を設立するためには提出すべき書類も多くあり、提出先も様々。

登記にかかる費用が株式会社の場合最低でも約25万円、加えて会社印の購入や社会保険への加入が必要となります。また法人では資本金も必要です。基本的には1円以上で会社設立は可能ですが、会社設立から3ヶ月間利益が全くなくても事業が続けられる額を目安にするのが一般的です。

このことから会社設立にはある程度の費用と手続き上の時間が必要です。

事業を廃止する場合手続き

個人事業主:所轄の税務署や都道府県税務署に届出を出すのみ

注意点としては、「青色申告をしていた人」「予定納税をしていた人」「消費税を納税していた人」「従業員を雇用していた人」などによって必要書類や手続きが異なります。

法人:解散登記・公告などが必要(費用も数万円必要)

税金でお得なのは?

個人事業主:所得税、個人住民税、消費税、個人事業税。

所得税にかかるもうけですがこれは売上から経費や所得控除を差し引いた金額です。累進課税となるため、もうけが大きくなると税率も大きくなります。

法人:法人税、法人住民税、消費税、法人事業税。

法人税は税率が所得税に比べると緩やかです。一年間の売上によって節税の面も考慮して法人化を検討しても良いかもしれません。

赤字の繰越

個人事業主:3年間(青色申告の場合)

法人:10年間

会計・経理

個人事業主:個人の確定申告

法人:法人決算申告書・申告

ご自身で行われる方もいらっしゃいますが、顧問税理士など専門家が行っていることが多いです。

経費の範囲

基本的にどちらも事業にかかった金額は経費として計上することが出来ます。しかし、法人の方が経費として計上できる範囲が広いです。特に給与や賞与なども経費として計上することができるのでかなりの節税になると言えるでしょう。

経費

社会的信用

2つを比べた場合、法人の方が社会的な信用度は高いと言えるでしょう。それにより事業拡大や新規顧客獲得の際だけでなく、融資の審査や人材採用の際も有利に働くといえるでしょう。

女性スタッフ

株式会社設立の流れ:8ステップ

次に会社設立の手順を詳しく見ていきましょう。

大まかな流れは以下の通りです。

会社設立手順

①会社概要の決定

まずは会社を設立する上で、役員、商号(社名)、本店所在地、事業目的、資本金額、事業年度、発行株式の総数や金額などを決定していきます。

本店所在地は自宅でも可能ですし、賃貸アパートの一室等でもそこの貸主の了承を得ているのであれば問題ありません。

事業目的は、将来行う可能性のある事業も記載しておくと将来の変更手続きの手間とコストを省くことができます。ただ、あまりに多くの事業目的を記載すると分かりづらくなるため注意が必要です。

資本金は上記でも記載しましたが1円からでも可能です。ただ、もしものために3カ月売上が全くなくても事業ができる額を最低でも用意しておくことをおススメします。

その後同一の住所に同一の商号が存在していないか、事業目的が法律で規制されたものでないかを本店所在地を管轄する法務局でチェックをします。

②印鑑などの作成

一般的には会社設立時に必要な「実印」と取引口座開設のための「銀行印」、会社運営上必要となる「角印(社印)」が必要となります。余裕をもって事前に印鑑登録を済ませておきましょう。

③定款の作成

定款とは会社の基本的なルールを記載した書類のことを指します。

定款には、会社の商号、事業の目的、資本金など会社の基本となる事項が記載され、定款に記載されていること以外の活動を会社として行うことはできません。

定款に記載する必要がある事項には以下の3つがあります。

絶対的記載事項

事業目的や商号、本店所在地など必ず記載しなければならない

相対的記載事項

公告の方法など定款の効力自体に影響はないが、記載をしないと法的効力が発生しない

任意的記載事項

定款へ記載するかどうかは会社が任意に選択できる

定款を作成する際の用紙と様式は特に規定はありませんが、慣例的にはB4の上質紙を2つ折りにして作成もしくは市販の様式を使うことが多いですが、最近はA4の用紙を使用する傾向があります。パソコンでも手書きでもどちらでも構いませんが、手書きの場合は黒のボールペンを使用しましょう。

設立登記申請用、公証役場保存用、会社保管用の3通り作成し、そのうち1通に収入印紙4万円を貼付します。また2004年3月より電子定款も可能となり、これを利用するとこの4万円の収入印紙は不要となります。

関連記事:【会社設立】定款の事業内容(目的)の書き方を解説

④定款の認証

③で作成した定款に署名または記名押印した上で、公証役場で公証人の認証を受けます。この際の持参物は、発起人全員分の印鑑証明書、実印、作成した定款3通、もし発起人の代表者が役場に行く場合は委任状、代理人が行う場合は身分証明書となります。

⑤資本金の払い込み

定款の認証手続きが完了すると、その定款に定めた資本金を出資者名義で口座に振り込みます。その後、払い込みが完了した通帳の写し(表紙、支店名などが記載されているページ、入金の確認が取れるページのコピー)を用意し、払い込みされたことを証明する「払込証明書」を作成します。

⑥会社代表者による設立登記申請

会社の住所(本店所在地)と同一の都道府県にある公証役場に会社設立登記を申請します。書類を法務局へもっていくのは、代表取締役に限らず、委任状は不要で誰でも構いません。直接持参する他、郵送やオンラインで申請を行う方法もあります。この際、登録免許税の支払いも行います。(資本金の0.7%または15万円のいずれか多い額)

申請書は法務局HPよりご確認ください。

⑦登記完了

法務局において「登記事項証明書」、「印鑑カード」、「印鑑証明書」の交付を受けます。その後、これらを資本金の保管銀行に持参して払戻作業を行います。払い戻された資本金は、新設された会社の預金口座に払い戻されます。

⑧官公庁などへの各種届出

会社の設立登記が完了した後は、税務署、労働基準監督署、地方公共団体、公共職業安定所、社会保険事務所への届出を行います。

~本コラムのまとめ~

今回は会社設立にあたって、個人事業主との違いと具体的な流れをご紹介していきました。今までご覧いただいた通り、会社設立となるとどうしても各種書類の作成や書類の提出先も様々で煩雑化します。いざという時に慌てず済むように計画的に余裕をもって進めていくことが大切です。

また、本コラムでは「株式会社」を設立した場合について記載しましたが、「合同会社」「信託会社」「合資会社」「投資会社」など様々な会社形態がございます。自分が行う事業に合わせて最適な形態を選択したいですね!

当事務所では、横浜市にて、手続きの際の必要書類作成や費用面のご相談など会社設立に関して幅広くサポートさせていただいています。東京、神奈川で会社設立を検討されている方、何から始めればよいかお悩みの方、まずはお気軽にご相談ください。

会社設立

投稿日: 2022年9月5日   12:48 pm

更新日: 2024年6月24日   9:57 pm

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