会社設立時には「挨拶状」を送ります。
挨拶状を送ることで、取引先との友好な関係を築きやすくなるといったメリットがあります。ただ、闇雲にダラダラと書けば良いというわけではなく、そこにはマナーや書き方があります。
どのように書けば良いかわからない・・・
例文を知りたい・・・
今回はこういったお悩みを抱える方へ向けて、挨拶状のマナーや書き方を解説していきます。
Contents
挨拶状のマナーについて
会社を設立した際に挨拶状を送る目的は、相手に自分の会社を認識してもらうためです。会社設立の経緯や自分の思いを簡潔に分かりやすく書くことで、今後のビジネスにおいて友好な関係を築きやすくなるでしょう。
送付する相手としては、日頃お世話になっている個人の方々や前職を退職する前まで関わりのあった方々、起業するにあたってサポートをしてくれた方々です。
送るタイミングは、会社としての営業を開始する1〜2週間前を目安としましょう。そうすることで挨拶状が営業活動につながる可能性があるからです。遅くとも会社設立前までには相手の手元に届くように準備したいですね!
郵送でも構いませんが、可能であれば、直接挨拶回りをすることで、相手に好印象を与えること、自分の会社がどんな会社なのかを直接知ってもらうことができ、ビジネスチャンスにつながる可能性もあります。
送付の仕方としては、ハガキ形式ではなく、できる限り封筒に入れて送付するようにしましょう。ハガキだと安くは済みますが、会社設立の挨拶はとても重要なものです。コストがかかったとしても封筒に入れて送付することをおすすめします。相手の宛名、住所に間違いがないかも今一度チェックすることも大切です。
作成する際のポイント
挨拶状は基本的に前文と呼ばれる「導入」「会社設立に至った経緯」「感謝の言葉」「連絡先」の4つに分けて書くことがポイントです。
それぞれみていきましょう。
前文
これは、一般的にビジネス文章と呼ばれるものとほぼ同じです。
頭語、時候の挨拶、相手を気遣う言葉といった流れになります。
頭語は一般的には「拝啓」「拝呈」「啓上」を用い、合わせて結びには結語も用いましょう。結語は順に「敬具」「敬白」「排具」となります。
時候の挨拶は、季節を表す言葉を用いた文章となります。月ごとに例を挙げておきます。
1月 |
初春の候、新春の候 |
2月 |
余寒の候、立春の候 |
3月 |
早春の候、春暖の候 |
4月 |
陽春の候、桜花の候 |
5月 |
新緑の候、薫風の候 |
6月 |
初夏の候、梅雨の候 |
7月 |
盛夏の候、猛暑の候 |
8月 |
残暑の候、秋暑の候 |
9月 |
初秋の候、秋涼の候 |
10月 |
秋冷の候、菊花の候 |
11月 |
晩秋の候、向寒の候 |
12月 |
初冬の候、師走の候 |
相手を気遣う言葉とは「皆様いかがお過ごしでしょうか。」といった言葉となります。
会社設立に至った経緯
この部分は相手に自分の会社のことを知ってもらうとても重要なパートです。
会社設立の報告に加えて、なぜ起業、開業するに至ったのかを伝えます。
ただ、時系列でダラダラ書いてしまいがちになりますが、あくまでビジネスということを忘れずに簡潔にまとめることを意識してください。
感謝の言葉
こちらも、今までの感謝を述べることで、自分の思いが相手に伝わり、今後ビジネスをする上でも良い方向に向かいやすくなるでしょう。
例としては、「皆様のお力添えを深く感謝申し上げます」や、前職からお世話になっている方には「在職中は一方ならぬご懇情を賜り誠に有り難くお礼申し上げます」などとなります。
連絡先
最後に設立した会社の社名、住所、連絡先(電話番号、メールアドレス共に)、営業時間、定休日など基本的な情報を記載します。
前で記載している感謝の言葉などとは分ける目的で別に記載することが一般的です。
締めの言葉
最後は締めの挨拶で結びます。例として「略儀ながら書中をもちましてご挨拶とさせていただきます」といった言葉になります。そして、先程、頭語の部分でお伝えしたように、頭語と対応した結語も忘れないように記載しましょう。
挨拶状の文例3パターン
例文①
拝啓
〇〇の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
かねてより準備して参りました新会社を、この度、〇〇県〇〇市に発足の運びとなりましたので謹んでお知らせ申し上げます。
これも偏に皆様のご支援の賜物と感謝申し上げる次第です。
今後もなお一層皆様のご要望にお応えできるよう誠心誠意努力する所存ですので、何卒ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
令和〇年〇月吉日
株式会社ABC商事
代表取締役 鈴木 一郎
記
株式会社ABC商事
〒○○○‐○○○○ 東京都
03‐○○○○‐○○○○
03‐○○○○‐○○○○
sample@abc.test
例文②
謹啓
〇〇の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、皆様のご援助のもと準備して参りました新会社がこのたび〇月〇日より発足の運びとなりました。
今後は皆様へのご奉仕に万全を期して努力して参る所存でございます。
何卒ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
それでは季節柄なおいっそうご自愛くださいますようお祈りいたします。
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。
謹白
令和〇年〇月吉日
株式会社ABC商事
代表取締役 鈴木 一郎
記
株式会社ABC商事
〒○○○‐○○○○ 東京都
03‐○○○○‐○○○○
03‐○○○○‐○○○○
sample@abc.test
例文③
拝啓
〇〇の候、貴社ますます清栄の段、心よりお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
かねてより準備を進めて参りましたが、この度、下記の通り会社を設立する運びとなりました。
これも皆様のご支援ご高配の賜物と感謝しております。
皆様のご期待に応えられるよう日々精進して参ります。
今後とも変わらずご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
それでは季節柄なおいっそうご自愛くださいますようお祈りいたします。
甚だ略儀とはなりますが、書中をもちましてご挨拶申し上げます。
敬具
令和〇年〇月吉日
株式会社ABC商事
代表取締役 鈴木 一郎
記
株式会社ABC商事
〒○○○‐○○○○ 東京都
03‐○○○○‐○○○○
03‐○○○○‐○○○○
sample@abc.test
挨拶状送付後のマナー
挨拶状を送った後、会社設立の当日にはお祝いの花などが贈られてくること等もあるかと思います。
この際にもしっかりマナーに従った行動が大切です。
仮にお花が届いた場合は、できる限り早く(可能ならば到着の当日)にお礼の連絡を入れるようにしましょう。その際に喜びを伝えること、そのお花のどんなところが気に入ったかなども一緒に伝えると良いですね。
ビジネスは人と人との繋がりで成り立つものです。今回のような挨拶状の際に限らず、お祝いに対するお礼をしっかりとすることは当たり前のことです。
例文を参考にチャレンジしよう
今回は、会社設立の際の挨拶状のマナーや書き方をご紹介しました。
ビジネス文書は、普段書き慣れていないと始めは書くのに難しさを感じることもあるかもしれません。そんな方は、今回紹介した流れにそってぜひチャレンジしてみてください!この挨拶状の準備も独立の準備と並行して行いたいですね。
感謝の思いを伝え、会社設立のお知らせをしっかりと行うことで、設立後のビジネスチャンスに繋げていけるようにしましょう!
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