
近年、マネーフォワードやfreeeなどのクラウドサービスの普及により、会社設立そのものは驚くほど簡単になりました。書類作成や手続きもオンラインで完結でき、「思ったよりあっさり会社を作れた」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、本当の大変さは“設立後”にやってきます。
いざ事業を始めてみると、記帳や領収書の管理、請求書の発行、給与計算、税金の仕組み、社会保険の手続きなど、聞き慣れない業務が一気に押し寄せます。何が正解なのか分からないまま手探りで進めるしかなく、「これで合っているのか」「あとで大きなミスにならないか」と不安を抱えながら日々を過ごしている方も少なくありません。
さらに、起業したばかりの段階では、身近に気軽に相談できる相手がいないことも多く、ネット検索や断片的な情報に頼るしかないケースもあります。結果として、本業に集中したいのに経理や手続きに時間を取られ、思うように事業が前に進まない…そんな状況に陥ってしまうこともあります。
この記事では、「会社は自分で作れたけれど、その後の実務でつまずいている」「何から手をつければいいのか整理できていない」という起業1年目の方に向けて、特に悩みが集中しやすいポイントと、失敗を防ぐための具体的な対策を分かりやすく解説します。
同じ悩みを抱えている方が、「自分だけじゃなかった」と安心し、次の一歩を踏み出せる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

Contents
会社設立後に多くの人が直面する“想定外の実務”
会社は作れた。
口座も開設した。
名刺も作った。
でも、ここから何をすればいいのか分からない。
・領収書は全部取っておけばいいのか
・自分の生活費は会社から出していいのか
・売上が入ったけど税金はいくら残すべきか
・freeeやマネーフォワードの画面を見ても仕訳が分からない
・「役員報酬を決めてください」と言われたけど基準が不明
・インボイス登録は必要なのか判断できない
ネットで調べても答えがバラバラで、「たぶんこれでいいだろう」と進めるしかない。
本業に集中したいのに、夜や休日は経理作業。それでも正しいのか分からないまま不安だけが積み重なっていきます。
そして多くの方が、決算や確定申告が近づいたタイミングで初めて気づきます。
「最初から誰かに聞いておけばよかった」
起業1年目でつまずく原因の多くは、能力不足ではなく「判断できる人が近くにいないこと」です。
なぜ起業1年目は経営が不安定になりやすいのか
売上があるのにお金が残らない
「思ったより売上は出ているのに、なぜか口座残高が増えない」
創業期によくある悩みです。
広告費、外注費、家賃、通信費、ソフト利用料など、気づかないうちに固定費が積み上がります。
さらに請求から入金までのタイムラグもあり、帳簿上は黒字でも資金は不足する状態に陥ります。
税金や社会保険の支払いが来ると、一気に資金が減り、「こんなに払うの?」と驚くケースも少なくありません。
税金の仕組みが分からず“後から大きな請求”が来る
開業費、経費計上、役員報酬、消費税、インボイス対応。
起業1年目は税務上の重要な判断が集中します。
しかし、正しい知識がないまま処理すると
・本来払わなくていい税金を払ってしまう
・逆に不足が出て後から追徴される
・修正申告が必要になる
といった事態にもなりかねません。
特に怖いのは、税金は“後からまとめて来る”ことです。1年目は余裕でも、2年目に資金繰りが一気に悪化するケースは珍しくありません。
資金繰りを「感覚」で判断してしまう
売上や銀行残高だけを見て「大丈夫」と判断してしまうのは危険です。
実際には
・未払いの税金
・社会保険料
・借入返済
・外注費や仕入れ
・将来の支払い予定
などを考慮しなければ、本当の資金状況は見えません。
資金繰り表を作らずに経営していると、突然資金が不足する「黒字倒産」のリスクもあります。
社会保険・手続きの負担が想像以上に重い
法人を設立すると、社会保険への加入が義務になります。手続き期限は非常に短く、準備不足のまま対応することになりがちです。
さらに問題なのは保険料の負担です。会社負担分もあるため、想定以上の固定費となります。
「売上が出てから考えればいい」と思っていると、後から資金を圧迫する大きな要因になります。
起業して失敗しないために本当に必要なこと
最初に整えるべきは“低コスト”ではなく“判断基準”
創業期は費用を抑えることが重要ですが、それ以上に大切なのは「何にお金を使うべきか判断できること」です。
間違った節約は機会損失を生み、逆に不要な投資は資金を消耗させます。
資金調達は「困ってから」では遅い
創業融資や補助金は、条件や書類の要件が複雑です。特に事業計画書の質は審査結果に大きく影響します。
独学で作成すると通らないケースも多く、結果として資金不足に陥ることがあります。
税務は“後から取り返せない分野”
経理や税務は「後で修正すればいい」と考えがちですが、選択によっては取り返しがつかないものもあります。
例えば
・役員報酬は原則として年度途中で変更できない
・消費税の選択は数年単位で影響する
・経費処理の方法で納税額が大きく変わる
など、初年度の判断が長期に影響します。
そのため、多くの経営者が早い段階で税理士などの専門家を相談相手として確保しています。
税理士は単なる申告代行ではなく
・節税の判断
・役員報酬の設計
・経費の適切な範囲
・将来の税負担の予測
といった「経営に直結する意思決定」を支える存在です。
起業1年目は「成長」より「生き残る」ことが最優先
華やかな成功事例ばかりが目につきますが、実際には多くの企業が最初の数年で姿を消しています。
1年目に重要なのは
・税金や支払いを滞らせないこと
・事業を継続できる体制を整えること
派手さはなくても、この基盤がなければ成長はありません。
不安を抱えたまま進むか、伴走者を持つか
起業は孤独な戦いになりがちです。しかし、すべてを一人で抱える必要はありません。
「分からないまま進める不安」よりも、「すぐ相談できる安心」のほうが、結果的に事業の成功確率を大きく高めます。
もし今、
・ 経理や税務が合っているか分からない
・ 将来の税金がどれくらいか不安
・資金繰りに余裕があるのか判断できない
・誰にも相談できない
という状態であれば、それは起業家として自然な悩みです。
だからこそ、早い段階で専門家を味方につけることが、事業を長く続けるための最も現実的な選択と言えるでしょう。
起業は最初の設計が大事!少しでも迷ったら相談を!
起業1年目は誰もが売上に悩み、赤字になるリスクを持っているため、管理体制を整えたり、定期的に経営状態を見直すことが大切です。
創業期は初めてのことが多く、手探りで事業を進めていく方も少なくありません。事業を軌道に乗せるためには最初の事業設計が重要になるため、1人で行うのではなく、相談しながら進めていく体制を整えましょう。
当事務所では、創業期の融資や税務相談だけでなく、開業支援も行っています。これから起業を考えている方や創業したばかりで悩んでいる方はお気軽にご相談ください!
